郷土料理 | 長崎県 | 食べる・飲む | 楽しむ ◢
長崎駅から車で5,6分行くと見えてくる小高い山の上に建つ純日本風の大きな建物が長崎の伝統料理である卓袱料理(しっぽくりょうり)を今も守り続ける料亭富貴楼です。その木造の建物は節目節目で改築こそ行われているものの、建築当初の姿そのままに堂々とした風格と長崎の歴史を十分に感じさせてくれます。そして正面の大通りから料亭につながる階段は、日本情緒とこれから始まる料理の宴の序章をじっくりと味あわせてくれ、贔屓にしてもらっているお年を召したお客さまの中にも、山を登り切ったところにある、入りやすい玄関があるにもかかわらず、あえてこの急な階段を上り、富貴楼に訪れる人も多くいるほどです。富貴楼の歴史は古く、1889年に時の内閣総理大臣である伊藤博文より庭に咲く牡丹の花の見事な様子を見て、当初の経営者であった内田トミの名から一文字取り「富貴楼」の名前を勧められたことより由来します。しかし、それ以前より千秋亭「吉田屋」と名乗り経営していた時期を考えると江戸時代まで遡り、その歴史は350年を超える長いものとなります。店内の個室は卓袱料理の特徴である見事な朱色の円卓が置かれ、仲間とともに料理・宴を楽しむ和やかな雰囲気と伝統を感じさせる重厚な豪華さとが共存した心地よい贅沢さを醸し出しています。またかつて床下に生簀が置かれそれを眺めながら海鮮の珍味を食す宴が連日開かれていたという100畳近い大広間は提灯が軒先に飾られ、今も昔も変わらない親しい友人達を楽しくもてなす雰囲気を見事に演出してくれることでしょう。天領であった長崎ならではのおもてなしの心、富貴楼でじっくり味わってみてはいかがでしょうか。