京都府北部、日本海の宮津湾にある「天橋立(あまのはしだて)」は、陸奥の「松島」、安芸の「宮島」とともに、「日本三景」とされている特別名勝のひとつです。宮津湾に浮かぶ幅約20~170m、全長約3.6kmの砂嘴(さし)が、内海「阿蘇海」をつくっています。阿蘇海は智恩寺横の切戸文珠(きれどもんじゅ)と文珠水路(もんじゅすいろ)で、宮津の湾へと通じています。一般的には、この景観を展望する傘松公園も含めて、「天橋立」と呼ばれており、天に架かる浮橋のように見えることからその名が付けられたと言われています。天橋立は、平安時代より都人の憧憬の地で、和泉式部、小式部内侍らの和歌をはじめ、16世紀初頭の作とされる雪舟の「天橋立図」にいたるまで、多くの文芸、美術に描かれてきました。
天橋立(砂地)の端から端(文珠~府中)までは、徒歩で約1時間、自転車で約20分、レンタサイクルも利用できます。天橋立の松の中には、大正天皇が皇太子時代にお手植えの松や昭和天皇が皇太子時代にお手植えの松も植わっています。その他にも約18本の松には、地名などにちなんだ名前を持つ名松もあり、天橋立の散歩をより楽しませてくれます。
天橋立ビューランド(文珠)の飛龍観、傘松公園からの眺めが有名で、遠い古代を偲び「股のぞき」すると、一瞬目の錯覚により、天橋立が天につながっているように見えます。
天橋立の見どころ
■傘松公園【府中エリア】
天橋立を股からのぞくと天地が逆さになり、一瞬目の錯覚で、天に架かる橋のように見えるという、股のぞきの名所。この傘松公園からの眺望は、「斜め一文字」とも呼ばれています。
入園料
大人640円、小人320円(リフト・ケーブル料金)
■籠神社【府中エリア】
国宝や重要文化財を所蔵する丹後随一の格式ある古社で、伊勢神宮の元宮として知られる。
■成相寺【府中エリア】
西国28番札所として多くの参詣者が訪れる。悲話を伝えるつかずの鐘、奇怪な話の底なし池、美人観音として評判の正観世音菩薩などがあり、しゃくなげの名所としても知られています。
拝観料 500円
■磯清水(いそしみず)【天橋立エリア】
日本名水百選に選ばれている「磯清水」は四方を海に囲まれた場所にもかかわらず少しも塩味を含んでいないことから古来から不思議な名水とされています。今も絶えることなく、天橋立を訪れる多くの人々に親しまれ、昭和60(1985)年には環境庁選定「名水百選」の一つとなっています。
■仇討ちの場(試し切りの石)(あだうちのば)【天橋立エリア】
剣豪として名高い岩見重太郎兼相が、父の仇として広瀬軍蔵、鳴尾権三、大川佐衛門の三人の仇討ちをしたと伝えられている場所です。岩見重太郎兼相は、広瀬軍蔵、鳴尾権三、大川佐衛門の三人を追って、丹後の宮津に来ましたが、三人は重太郎を恐れて領主京極家にかくれていました。そこで、京極家に乞うて仇討ちを許され、寛永9(1632)年9月20日天橋立の濃松において三人を討ち倒し、ついにその本望をとげたと伝えられています。なお、岩見重太郎は、薄田隼人と同一人とされ、豊臣家の家臣であったが大阪冬の陣といわれる慶長19(1614)年11月には大いに戦って名をとどろかし、さらに翌元和元(1615)年5月夏の陣では、惜しくも戦死したといわれています。この場所には、仇討ちの試し切りにしたといわれる石が、現在も残っています。
■橋立明神(はしだてみょうじん)【天橋立エリア】
「橋立大明神本社」の、正面は豊受大神、向かって左は大川大明神、右は、八大龍王(海神)が祀られています。かつては、皇大神を祀り、いわゆる元伊勢を移したものとの説もありますが、信仰が流行した平安末期から鎌倉時代にかけて、文殊堂境内鎮守として祀られたものと考えられています。またこのあたりは、丹後守護一色氏の家臣で弓の木城主稲富直家(一夢)が鉄砲でやみ夜に鳥を射つけいこをした所であるとされています。
■トワイライト・レールロード【天橋立エリア】
夕日が山に沈む前のほんのわずかな時間に、太陽光線が真横から松林を照らすその時、「海を渡る線路」が現れます。府中(船越)入り口付近では両側に立てた杭でよりはっきりと見ることができます。天橋立の中間地点や文珠側の入り口付近でもこの現象を見る事ができます。
■廻旋橋【文珠エリア】
天橋立で二分された内海と外海をつなぐ「天橋立運河」にかかる橋、船が通るたびに90度回転する。
■智恵の輪灯籠【文珠エリア】
3回くぐると文殊様の智恵を授かるといわれています。
■智恩寺(文殊堂・山門)(ちおんじ)【文珠エリア】
日本三文殊のひとつで通称切戸(又は久世戸)の文殊堂として知られている文殊菩薩の霊場です。智恵を授かる文殊さんとして有名で、受験や資格試験などの受験生やその家族が参拝者として多く訪れます。
茶屋通りに面する山門は、黄金閣とも呼ばれる市の指定文化財で、楼上に釈迦如来を中央に両脇士・十六羅漢を安置する、禅宗様式・三間三戸二重門の丹後地方最大の山門です。
拝観料 無料
秘仏等は年に2回公開されます。