たいしゅうりょうり

大衆料理

大衆料理とは、歴史的な背景から発展してきた伝統料理や、その土地ならではの食材や調理法を生かした郷土料理に対して、より一般的で日常生活において食べるいわば家庭料理に近いものと定義しています。また、日本で培われ、日本独自に発展した料理というものは多くありません。たいていは外国から、食材や料理法が伝承され、それが長い年月をかけて日本独自の味覚やその他の食材及び調味料などが加えられ発展してきたものが多いのです。それらも含め、日本ならではの特徴が挙げられ、しかも一般的に作られ食べられている料理を「大衆料理」と定義し、ここで紹介しています。
日本において、一般的に食べられている料理を考えたとき、そのもっとも根本的になることはお米が主食であるということでしょう。したがって、米を利用した料理や米と一緒に食べる際に適した料理(おかず)が主流になります。日本には昔から主食である米と別に、味噌汁などの汁物1品とおかず1品と漬物1品を基本とした「一汁一菜(いちじゅういっさい)」と呼ばれるセットが質素な家庭においては基本の献立となっていました。ですから、食事のバリエーションを考えたとき、当然汁物・おかず・漬物の種類が重要でした。質素な生活をおくっていた通常の家庭において常に違う食材を手に入れることは経済的にも困難な状況でした。味噌汁・漬物にたくさんの種類があったり、同じ食材を利用して様々な呼び名の味付けが違う料理があるのは、日々食事を楽しむために各家庭において様々な工夫をしてきた努力の結果と言えるでしょう。
その中でも汁物であれば「けんちん汁」や「豆腐の味噌汁」、漬物であれば「浅漬け」や「ぬか漬け」など、特に皆に愛されてきたものが今でも残っているのです。そういったことを考えると、日本の大衆料理は、料理人と呼ばれるプロが考案したような料理や身分の高い人に愛された料理ではなく、日本の先祖代々のお母さんたちが考案してきた味ということができるでしょう。このような大衆料理は、日本の各家庭ではもちろんのこと、今は少なくなりつつありますが、定食屋と呼ばれるお店でも味わうことができます。

大衆料理にこそ日本人の味覚の原点があるのです。

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