こうしゅういんでん
甲州印伝
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印伝とは、 黒、紺、えんじ、紫などに染められた鹿の革に漆で 江戸小紋調の柄を付けたもので、 印鑑入れ、財布、袋物、ハンドバックなどさまざまな実用品として存在しています。印伝の産地のひとつが山梨県甲府市、西八代郡六郷町、北巨摩郡双葉町にあり、この地域で作られる印伝を 甲州印伝と言います。
印伝のさきがけは遠く奈良時代からあり、戦国時代は武将の武具にも使われました。甲州印伝は、江戸時代末期に、現在の山梨県の甲府市にあたる地域を中心にして産地が形成されたと言われており、江戸時代後期に書かれた「東海道中膝栗毛」の中には「腰に下げたる、印伝の巾着(きんちゃく)を出だし、見せる」という記述があります。これによって、当時から甲州印伝が財布や巾着等の袋物として人々の間で親しまれていたことがわかります。現在もなおさまざまな革小物として、老若男女に愛されつづけています。
きれいに染め上げられた鹿革と、浮かび上がって艶が光る江戸小紋調の柄が甲州印伝の特徴ですが、このような柄を漆でつける技法を漆付け技法といい、鹿革と漆の優れた特性を調和させた甲州印伝独特の技法と言えます。鹿革は軽くて丈夫で柔らかく、使い込むうちに手になじみ、愛着が増します。甲州印伝の技法は大別して二つあります。一つ目は染色工程のあと、傷が付かないように気を付けながら、必要な大きさに切った鹿革に型紙を用いて漆模様付けして袋物にするという技法、もうひとつは「ふすべ(燻べ)手法」と呼ばれるもので、焼きゴテで表面処理された鹿革をタイコ(筒)といわれるローラーに巻き、 煙でいぶして色をつけて袋物にするというものです。ふすべ手法で染められた印伝は、黄土色で、落ち着きのある温かみを感じさせてくれます。




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