いちいいっとうぼり

一位一刀彫

木工品 | 岐阜県 | 知る

一位一刀彫とは岐阜県の高山市、飛騨市、下呂市を産地とするイチイという木を使った彫刻品で、茶道具や置物、お面などが作られています。年輪が細かく、まん中が赤くて(赤太)、外側が白い(白太)というイチイの木の特色を生かして彫刻されています。一位一刀彫は、江戸時代末期、彫刻の名人といわれた松永亮長(すけなが)が飛騨地方の象徴であるイチイ材に根付(ねつけ)彫刻と呼ばれる独特の彫刻を施したのが始まりと言われています。それ以来、飛騨を代表する彫刻として、色をつけないで天然のイチイの木の細かい年輪、木目の美しさ、赤太と白太の色の違いなどを生かし、彫った跡を鋭く残すという独特の形がつくられ、現在に受け継がれています。一本の木から作られる置物やお面のモチーフになるのは、干支の動物や仏像などが多く、これらの細かな表情が、約100本の彫刻刀を使い分けることによって表現されています。一位一刀彫と呼ばれる所以とも言われる、「一刀一刀魂を込めて彫る」ということが迫力となって表れていると言えるでしょう。また、年月とともに木の色が茶褐色にかわり、つやが出てくるというのもイチイの魅力です。作られた時期によって、同じイチイという木でできているとは思えないほど色艶が違うのです。

<作り方>

イチイは主に直径が20〜40センチの樹齢300年から500年のものを使います。良材選びに始まり、下ごしらえの木取り、荒取り、荒彫り、中彫り、仕上げ彫り、最終仕上げまで6つの工程を経てひとつの作品が出来上がります。

1. 木取り

イチイを乾燥させ、イチイの木目の流れ、赤太・白太の状態を考慮し、作品に合うように、ノコギリやナタで必要な大きさに切り取ります。

2. 荒取り

作品のイメージに沿って、おおまかな輪郭を作っていきます。

3. 荒彫り

ダイナミックに彫り、作品のイメージを形にします。

4. 中彫り

大小さまざまなノミを駆使し、全体のバランスを考えながら、部分を彫り出していきます。

5. 仕上げ彫り

繊細なタッチで、細かい部分まで仕上げていきます。

6. 蝋仕上げ

丹念に磨き上げます。蝋はイチイの持つ油気(タンニン質)を表面に誘い、時とともに色と艶を出します。

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