みやこじょうふ
宮古上布
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宮古上布は沖縄県の宮古島を産地とする織物で、着物地として使われています。麻織物ながら、麻とは思えないなめらかさ、しっとりとした上品なつや、糸は細く、絣模様は精緻で、織り上げた布はロウを引いたように滑らかな手触りで、通気性に富み、三代物と言われるほど丈夫で長持ちすることが特徴です。この宮古上布の魅力の秘密は、手績みの細い糸を使っていること、仕上げに「砧打ち」をすることだけでなく、細かな絣(かすり)模様にもあります。沖縄には様々な織物があり、それらは線で柄を作ることが多いのに対し、宮古上布は白い小さな十文字(十字絣)を無数に織り込んで、紺色の柄を浮き上がらせる、しかも総絣といって、花、亀甲、銭玉などの柄を布全体に繰り返し入れるのが特色です。この宮古上布は日本四大上布のひとつとされ、夏の着物の最高級品として、稀少品として、着物ファンたちのあこがれになっています。
宮古上布の歴史は今から400年前に遡ります。琉球の貢物を載せた船が台風に遭い、沈没しそうになったところに、ちょうど乗り合わせていた宮古島の男が、勇敢に海に飛び込み、船を修理して乗組員全員の命を救いました。琉球王がこの功績を称えてその男を問切坊主としたところ、その男の妻は喜び、心を込めて布を織り王に献上したそうです。これが宮古上布の始まりだと伝えられています。かつて宮古上布は、さとうきび、鰹節と並ぶ宮古島の三大産業のひとつで、昭和10年代の最盛期には年間1万5千反が生産されていました。それに対し、現在は年間約30反の生産量にとどまっています。
<作り方>
宮古上布は、手で績んだ糸を藍染めしてから織るという手順で作られますが、昔から作業は分業で行なわれています。細くて均質な糸のもとになる苧麻(ちょま、宮古の言葉ではブー)の栽培、苧績み(ブーンミ)、機締め、藍染め、織り、砧打ちなどの作業はそれぞれ専門家によって分業されています。宮古上布は最初の苧麻の栽培から作る人のこだわりがあらわれています。たとえば肥料はヤギのふんの堆肥を使い、化学肥料は使いません。またヤギのえさにする草は、農薬がかかっていない海沿いの野原まで刈りにいくということもあるのです。このように一反の着尺の宮古上布は何人もの手によって、しかもそれぞれの作業は、専門家のこだわりを込めて進められ、3カ月以上かけて織り上げられているのです。



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