あかづやき
赤津焼
陶磁器 | 愛知県 | 知る ◢
日本六古窯(にほんろくこよう)の一つに挙げられる愛知県瀬戸地方、その中でも1200年以上前、日本で初めて高温陶器を焼いたとされるのが赤津の地であると言われています。その灰を燃やすほどの高温で焼かれた陶器の中で、最も長い歴史を持つ赤津焼きの特徴は自然の土から作られた独特のぬくもりと30種類を超えると言われる釉薬(ゆうやく)とが織りなす美しさにあります。特に釉薬による景色(けしき)と呼ばれる表現効果は、同じものは決して作れないという希少性と、釉薬の厚み、塗り具合とその時の温度・湿度、さらに窯に入れて焼いた時間や火加減により作家が100%計算できない予測不可能な部分を残しており、そのことから茶の湯用の陶磁器として特に愛用され、鑑賞の対象とまでなっています。そして、赤津焼きは基本的に素焼工程がないということも特徴といえるでしょう。これは釉薬をわざと生地になじませないことで、焼いた時の釉薬の浮きやたまりも独特の表現効果にするための技法です。
よって大きな行程としては
土づくり
ここで完成形をイメージしてそれに適した土を作ります。
成形
ろくろを使ったり、手で成形したりと様々なやり方があります。
乾燥
成形したばかりの生地はとても柔らかいため直接持つことができません。
そこで天日に何日間かさらして乾燥させます。
釉薬及び彫刻などの飾りつけ
ここで完成形に従って表面に表現を付けます。釉薬で表現効果をつける場合は、
技術者の経験と勘が頼りの難しい行程です。
窯焼き
窯に入れて焼きます。通常は灰がとける程の温度(1200度前後)とされていますが、
完成したときの表現効果により経験と勘で変えることが多いようです。
完成
また赤津焼きは地の利という面においても恵まれた環境にあります。これは瀬戸地方全体に言えることですが、この地で採掘できる土には鉄分が少なく、表面に施した模様が映える白さが特徴の、いい材料が豊富に眠っているのです。
そのような環境の中、作家の自由な発想によって成形方法も多種にわたっており、ろくろを回してなめらかな曲線を描いたものから、土の塊から指先を使って丹念に成形したもの表面に彫刻による模様を施したものなど、様々な作品が作られてきました。
歴史的にも江戸時代は特に徳川家の御用窯として栄えた時期もあり、時の将軍徳川家より特別に注文を受け、茶道具などを収めてきた背景から、総じて気品と風格がただよう作風であるということも言えるでしょう。
日本有数の窯が集まる陶器の地瀬戸、その中でも最も長い歴史を持ち、1200年の間工芸士たちが試行錯誤を繰り返し作り上げてきた独特の「景色」を持つ赤津焼き。土の温かみ、工芸士が代々受け継いだ経験と技術、そして気まぐれな自然のいたずらから作られる世界無二の作品の数々を赤津焼きで楽しんでみてはいかがでしょうか。


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