かなざわはく

金沢箔

工芸用具・材料 | 石川県 | 知る

私たちは日常、様々なシーンにおいて金色に装飾された品々をよく見かけます。

それは、食器であったり花瓶であったり仏像だったりします。そういった金色に装飾された品々に、使われるものが金箔であり、日本全国で使われる金箔のおよそ98%を生産しているのが金沢箔なのです。

金箔は一万分の1ミリという薄さで、目の前にかざすと向こう側が透けるほど薄いものです。それはコインほどの大きさと厚さの金合金(金に銀や銅を混ぜたもの)を畳一枚分に均一に伸ばしていくほどの薄さであり、しかも金色の輝きは失わせないように製作する必要があるので、非常に熟練した技が必要になります。また、合金を叩いて伸ばしていくのですが、その際に合金を和紙に挟んで叩きますので、どのような和紙を使うかということも大切な要素であり、和紙の品質次第で金箔の出来が変わってくるほどです。つまり、優れた品質の金箔を製作するのに必要な技術は、和紙に挟んで叩いて伸ばしていく技術とその和紙をつくる技術ということになるでしょう。ちなみに金沢箔の製造工程はおおまかに次のようになります。

1.純度99.9%の金に銀・銅をごく少量混ぜます。このときにそれぞれの金属を約1300度まで熱し、溶かし合わせます。

2.溶かし合わせたものを金合金と呼び、それをのばして6cm四方ほどの大きさにします。これを延金とよびます。

3.延金を和紙で挟み合せたものを、何重にも重ね合わせてさらにそれを何枚もの和紙で挟みこみます。

4.それを叩いて伸ばしていきます。挟んでいる紙の大きさまで伸ばしたら、それを切ってちがう大きさの和紙に挟み、また叩いて伸ばすという作業を繰り返します。この工程で金は1000分の3mmほどの厚さになり、艶も消えます。

5.それを規定の大きさの型に合わせて折り、切っていきます。そして特別の和紙(箔打ち紙)で挟み、また叩いて伸ばします。その際に使われる和紙が金箔の品質を左右するほど重要な役割を果たします。ここでその厚さは10000分の1、2mmとなり金箔ができあがるのです。

ここでは省略して工程を説明しておりますが、実際はここに書いてある何倍もの叩いて伸ばす工程があり、それぞれの工程に最適な、品質の違う和紙を使い、また厚みに応じて叩き具合を調整するというように、非常に繊細な作業で金箔は作成されるのです。こうしてできた金箔を、熟練した技を持った職人の手によって様々なものに貼られ、製品となって私たちの前に並ぶことになるのです。

ちなみに金箔製作工程に使われた和紙は、金箔を極限まで伸ばすほど叩かれた結果、紙の繊維が非常に高い密度まで砕かれるため吸脂性に優れた紙となり、最高品質の「あぶらとり紙」として取り扱われ販売されています。

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