ぞうに

雑煮

特別な料理 | 一月 | 知る

正月に食べる餅の入った汁物料理。日本各地で様々な雑煮の種類がある。

お雑煮は正月に食べるおせち料理と並ぶ日本の伝統食のひとつです。これを食べることができるのは、お正月だけ。「雑煮」とは、「煮雑(にまぜ)」が語源で、外見はカリッ、中身はとろっとしたお餅を中心に、野菜や海鮮物など地方によってさまざまな具を煮合わせてつくります。雑煮のメインであるもちは昔から歳神様のお供えものとしてあげており、大変縁起の良い食べ物とされています。もちの形は地方によって異なり、関西では円満の意味から丸餅が多く、東京では手っとり早く数多く作ることができる角餅がよくつかわれています。

そもそもなぜ、お餅を汁物の中に入れて食べるようになったのでしょう。ぺったんぺったん、つきたてのお餅なら、砂糖醤油をつけて海苔をまいたり(磯辺焼き)、きなこか小豆(あずき)と一緒に食べたりするだけでも、十二分においしいのです。

少し歴史をひも解くと、室町時代、元々お雑煮は武家の人しか食べられなかったそうです。何日も、時には何週間もかけて戦地に赴く間に、お餅は固くなってしまいます。生ものは一緒に持っていけないので、乾燥食品を持っていざ出陣します。そして、現地で野菜やその土地の特産物を仕入れあわせて煮込んだもの。それがお雑煮になったようです。江戸時代には、饗宴(きょうえん)の際、お雑煮が本膳料理で必ず1番目に出されるものとなります。これは最初に、雑煮を食べることで胃を安定させてから酒宴に移るための前菜だったようです。今でいう、軟骨や鳥の揚げ物の役割ですね。それが一般庶民にも行きわたり、今のようにお正月といったらお雑煮が欠かせないというようになってきたそうです。武家社会が存在していた時代は、物流のルートが今のように便利ではありませんでしたから、各地の特産物が反映されているというのも頷ける話です。代々の先祖さまが、その土地土地にあるもので年を明けることができるようにと、智恵を結集させてできたものがお雑煮だったというわけです。また、新年を迎える際にお餅をつき、神様にお供えをして感謝と祈りを捧げる「ハレ」の食べ物だと言いますが、もしかしたらそのお供え物をお守りのように携えて、それを食べることで絶対勝つという精神高揚材になっていたのかもしれません。

日本各地で基となる汁物のベース(白みそ・赤みそ・醤油仕立て・小豆汁)、中に入れる具材(漁村部:海の幸、のり・カキ・はまぐり 山村部:山の幸、キノコ・山菜)、お餅の形(丸餅・角餅)が異なります。また各家庭での味の付け方も異なります。代表的なところでは、汁は関西では白みそを使うのに対し、関東ではすまし汁仕立てが一般的です。

関西地方の雑煮

このように、お雑煮は正月の特別な料理として、家族そろって、おとそ、おせち料理とともに三点セットで、新年の祝いと一年の家内安全を願って食べるというのがお正月の習慣になっています。

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