げいしゃ
芸者
おもてなし | 知る | 楽しむ ◢
芸妓は日本でも海外でも一般的には「geisha」と呼ばれていますが、主に関西で「geiko」の呼称で親しまれており、それ以外の地域では「geisha」と呼ばれることが多いようです。また、芸妓には2種類あり、長唄や清元などの唄や語り、あるいは三味線や太鼓などを演奏する芸妓を「地方」、舞踊をする芸妓を「立方」と呼びます。地方にはかなりの修練が必要とされ、通常は立方を卒業した姉芸妓が地方に廻ります。その他、芸妓には茶道や華道など、素養としての修行が求められます。
なお、芸妓はお茶屋から呼ばれて「お座敷」に上がるわけですが、お茶屋はお客様の要望に応じて芸妓やお酒、料理など芸者遊びのすべてを取り仕切って提供する花街の裏方としての役割を果たしています。これに対して、置屋は芸妓に芸事やしきたりを教え、着物を用意するなどしてお茶屋へ送り出す人材派遣のような立場になります。
京では、芸妓になる前の未成年の少女を舞妓といい、その装束は、振り袖に長く垂らした帯、肩と袖に縫い上げをつけて、まだ子供であるということを強調しています。京風の髷に花簪をつけて可愛らしさと幼さを残した格好は、江戸時代末期の京都の町娘の風俗であり、これに対して芸妓の装束は、袖も短く、帯は二重太鼓、簪(かんざし)も少なく、スッキリとした出で立ちをしています。芸妓や舞妓が長く裾を引いた着物を着るときに左手で「褄(つま)」を持つことから、芸妓を左褄(ひだりづま)と呼ぶこともあります。左手で持つと褄の合わせ目が左になり、男性が手を入れようとしても入らないことから、芸は売っても身は売らないという芸妓や舞妓の誇りを象徴しているのです。
舞妓は、踊り、鳴物、長唄、茶道など必修科目とし、日曜日以外はほとんど何らかの稽古をしなければ一人前になれません。1年生のうちは、稽古の合間にお茶屋さんまわりをして顔を覚えてもらうのが日課です。舞妓を5年ほど勤めると芸妓に昇格しますが、お座敷での責任も重くなり芸の稽古も一段と厳しくなっていきます。芸妓や舞妓が呼ばれるお座敷はほとんどが料理を伴う宴席で、最近では料理屋やホテルでのパーティーも多くなっています。芸妓や舞妓は、食事の邪魔にならないよう、お酌やお客様との会話のお相手をします。お座付きと呼ばれる踊りや鳴物などの芸は、料理が出る前か料理の合間にタイミングを見計らって2、3曲ほど出すのが普通です。
これは、温かい料理が冷めてしまわないようにとの配慮です。小さな宴席では飲み物におつまみ程度なので、お座付きや会話だけでなく、お客様も参加して三味線の伴奏で歌を歌ったりゲームをしたりもします。花街のもてなしは、何よりも非日常的でなければなりません。お客様は、家庭や仕事など日常的なことから解放されたくて来るのですから、家庭的な話題や仕事の話はタブーとされています。お座敷は、あくまでも夢のような世界でなければならないのです。





(ワノア)は株式会社わのあの登録商標です。【登録第5115867号】