りょうてい
料亭
おもてなし | 知る ◢
あなたがもし日本の文化をじっくりと味わいたいと考え、なおかつお金に多少の余裕があったら“料亭”に行くとよいでしょう。なぜならそこでは様々な日本の伝統工芸品や美術品が美術館的に鑑賞する対象としてではなく、生活の中で実際に使われている形と全く同じように使われ、触れることそして味わうことができるからです。また、料亭で出てくる料理も、会席料理(かいせきりょうり)と言われる日本の伝統的な料理で、何年も修行した料理人が、そのときの旬の食材を使い、季節感を演出し、深い味わいを楽しませてくれます。さらに料亭と切り離せない存在である“芸者”も料亭で楽しむことができます。目の前で芸者たちの踊りを見て、お酒をついでもらいながら歓談するという贅沢な時間を過ごすことができます。
これらを一見するとそれぞれが独立しているような印象を与える工芸品・美術品・料理・芸者ですが、すべて日本の精神“おもてなし”という言葉に集約されていきます。これはとても難しく、奥深い言葉ですので、説明することは難しいのですが、その一面を表す意味として大切なお客様を迎えるに当たっての心構えとその実践であると言えるでしょう。つまり大切なお客様がいらっしゃる際には、部屋に貴重な工芸品や美術品を飾って目を楽しませ、その時期、その土地の最も美味しいとされる料理とお酒をふるまい、気配りができ、しかも芸を見せることができる芸者を呼んで、心からリラックスして楽しんでもらうということです。さらに敷地が広い料亭であれば庭園を楽しむことができ、その庭園を見ながら料理を楽しむこともできます。また、そこで働く人たちの心づかいもとてもきめ細かく、出迎えてくれる時のしぐさ、部屋に案内してくれる際の歩く位置から案内の仕方、そして部屋に入ってくるとき、料理を出す時、すべてが洗練された作法に則り私たちを満足させてくれます。さらに最後お店を出る時には、姿が見えなくなるまで見送ってくれるのです。このようにお客様をお迎えすることに対しての日本的究極的な形が料亭と言えるでしょう。
さて、私たちが料亭を利用する際ですが、そこに服装やマナーに対しての明確な決まりごとがあるわけではありません。ただし暗黙の基準というものは確かに存在します。これが料亭という場所の敷居を高くしているところかもしれませんが、次のポイントだけ押さえておけば大きな問題にはならないでしょう。日本の“おもてなし”が通常のお店で受けられるサービスと違う点が、店で働いている人とお客との間は主従関係ではないという点です。初めて料亭を利用したとき、あなたはきっと古くからの友人の家に来たような錯覚をおぼえることと思います。つまり最も大切な友人の家に招待されたときのことを考えて行動すれば良いのです。その友人を失いたくありませんし、友人のご家族にもある程度の節度と礼儀を持って行動するのではないでしょうか。そういったことを思い浮かべれば少なくても料亭にとって迷惑になる行為は避けられると思います。服装も特に正装にこだわる必要はありません。しかしそうは言っても日本伝統文化をじっくりと味わえるせっかくの機会ですから、和装で赴く方が心も体も和文化を楽しめるかもしれません。みなさまも是非、料亭を利用し、日本文化を味わい、そしてお店の人から「またいらしてくだいさいね」と言われるような素敵な楽しみ方をしてください。







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