しっき

漆器

日本人の生活おいて様々なシーンで使われている漆器。味噌汁を飲む椀や箸といった日常の食生活から、正月など特別な日の料理が盛りつけられる“重箱”と呼ばれる器として。また、見事な柄が描かれた大きな皿は観賞用として飾られたりします。鮮やかな朱色、吸い込まれそうな奥行きがある黒色。木ならではの安心感とぬくもりに包まれ、上品な光沢を放つ日本を代表する工芸品が漆器です。

その製造には実にたくさんの工程を必要とし、その数が100以上にも及ぶ漆器もあります。またそれぞれの工程において、十年以上の経験と知識を必要とするほど、高度で洗練された技術が要求されることがあり、すべての工程を一人で行うことは難しく、それぞれの専門家たちによる分業によって作られていることが多いことが特徴です。ですから漆器ができるまでの様子をすべて一か所で見学することはできません。特に仕上げの段階においては、ほんのわずかな埃が付着してしまっても商品価値がなくなってしまうほど繊細な作業のため、一般の人が部屋に入ることさえできないのです。しかし、そのようなこだわりと洗練された技術から出来上がった品は、丁寧に扱ってあげれば、数千年の時を経ても使え、むしろ年月ともに新たな魅力さえ発し、商品としての価値が高いものとなることさえあるのです。

歴史的に長く続いている家には、先祖代々受け継がれてきた漆器も存在しますし、“料亭”と呼ばれる日本高級料理店でも、創業から使われ続けている漆器というものもあります。いつまでも長く使ってほしいという作り手の思いと、その思いを酌み取り先祖代々大切に使っていく。そしてそれらの漆器には商品の素晴らしさもさることながら、それを使っていた人の思いや思い出までが受け継がれていく。それこそが伝統工芸品と呼ばれる品々の魅力の神髄と言えるのではないでしょうか。

漆器の取扱は思っているほど難しくはありません。傷をつけないことが大切ですので、食器洗浄機で洗うことを避け、洗うときは柔らかいスポンジなど硬くないもので洗ってあげ、置く場所もガラスや陶器がぶつからないようにしてあげること。また、濡れたまま置いておくと劣化の原因になりますので、洗った後はできるだけ早く乾いた布で拭いてあげるといった程度です。洗剤も外側に塗ってある材料(漆)が強いので、漂白剤やよほど強い成分が入っている洗剤でなければ使っても構いません。また、例え破損したり塗装がはがれてしまっても、修理をしてくれますのでご安心ください。

漆器 雑煮

世の中便利になり、使い捨てのものが市場に大きな位置を占めている昨今、自分が愛用していたものを自分の子に、そして後世に残していくということも、いろいろな意味で素敵なことだと思いませんか?

漆器 屠蘇
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