おちゅうげん・おせいぼ

お中元・お歳暮

慣習 | 夏 | 冬 | 知る | 楽しむ

日本にある独特な慣習のひとつで、公私ともにお世話になった人、具体的には親戚や会社の上司、会社の取引先などにお礼に品物や商品券などを渡す行事です。この慣習の元になったのは、まずお中元ですが、盆(死者が家に帰ってくるとされている日)に果物やその年に取れた産物などをお供えする習慣が日本に古くからあるのですが、そのお供えするものを近所同士や親戚同士で配りあったことが発展して、お世話になった人にものを送るという形になったと言われています。また、お歳暮に関しては、以前、新年を迎える際に死んだ人に食品などをお供えする習慣があるのですが、それらのものを結婚したり仕事の都合で家を出てしまっている人が、年末に実家に帰る際に持って帰っていた習慣から発展してきたと言われています。時期的にはお中元が7月中旬から8月中旬、お歳暮が12月初旬から下旬にかけてです。この時期になりますと、一番活気づくのが大きなデパートです。デパートではそれぞれの時期に送る品物を、テーマに合わせて専用パッケージにして提案型の売り場を競ってつくります。たとえばお酒好きの人に送るにはビールがセットになったパッケージですとか、家族がいる人に贈る場合はお菓子やアイスクリームをセットにした商品ですとか、多種多様にわたって店頭に並びます。

お中元

最近では商品券やギフト引き換え券付きカタログなども人気があるようです。ちなみにお中元よりもお歳暮の方が大切と考える人が比較的多く、その商品に対してかけるお金も、平均的にお歳暮の方が高いのが現状のようです。そして注文をすると、その商品を持って帰るのではなく、デパート側が渡す先に配送してくれるサービスもセットになっています。

さて、この習慣ですがその中にちょっとした日本人独特の感覚が見え隠れしています。それは特にお中元・お歳暮を同じ会社に勤めているお世話になった上司に送る際なのですが、基本的に自分が送る立場であった場合、送るか送らないかという判断基準は、自分が家族を持っているかどうかが重要で、自分に家族がいる場合に送るという傾向があります。これは自分が会社で仕事ができることで、自分の家族を養うことができるという会社に対して謙った(へりくだった)独特の考え方から発生するものです。かつて日本は終身雇用ということを重視していた傾向があって、会社に対する忠誠心と感謝の気持ちが強かったという背景があるからでしょう。また、送る商品の値段の差の付け方として、日本の会社組織構造が縦長のピラミッド構造ということから、上司が何人もいてしかもそれぞれの役職に差があるということから、役職が上の人ほど価格が高いものを送るという考え方がありました。しかし、今はもうこういった考え方で仕事をする人は少なくなり、その結果、会社内におけるお中元・お歳暮という行事も少なくなっていっているのが現状です。

お中元・お歳暮の時期に日本のデパートを訪れてみてください。大きなスペースに、箱に入った沢山の商品が棚に並び、訪れた人たちがその売場の受付で宅配便の送り先を記入している姿を見ることができるでしょう。それがこのお中元・お歳暮という日本の年中行事なのです。

お歳暮
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